5月31日(水)17:10〜18:55
第13回研究会 「分解の哲学――「技術」を考え直す」
講師 藤原辰史氏(京都大学人文科学研究所准教授)
「分解」とは、ものを壊して、属性をはぎとり、別の構成要素に変えていくことを指します。SDGsの時代、わたしたちは「生産」と「消費」の先に「分解」の価値について考えていくことを求められています。
『分解の哲学―腐敗と発酵をめぐる思考』『給食の歴史』『戦争と農業』『縁食論 孤食と共食のあいだ』など、さまざまな観点から<食>の歴史と思想を研究し、「食べること」を通して人間のあり方を捉え直してきた藤原氏をお招きし、分解の哲学から、技術のあり方について、問い直していきます。
6月28日(水)17:10〜18:55
第14回研究会 「五感の歴史―近代化と感覚世界の変化」
講師 久野愛氏(東京大学大学院情報学環准教授、東京大学卓越研究員)
視覚や嗅覚、味覚といった感覚は、社会や文化の影響を受けていると考えられています。講師の久野氏は『視覚化する味覚 食を彩る資本主義』などを通して、こうした人間の感覚と社会規範や文化的価値観がどのように関連しあってきたのかについて研究されてきました。久野氏とともに、「感覚」という視点から、社会と科学の未来について考えていきます。
7月26日(水)17:10〜18:55
第15回研究会 「自然ドキュメンタリーの現在と未来」
講師 岩崎弘倫氏(NHKエンタープライズ 自然科学番組 エグゼクティブ・プロデューサー)
ドキュメンタリーは自然や社会にみられる諸現象をとらえ、メディアを通して私たちの前に映し出してきました。映像技術やインターネットの発展により、自然を「観る」行為がより一般的で身近なものになりつつある中、自然ドキュメンタリーは何を映し出すことができるのでしょうか。NHKとBBCの共同制作「プラネットアース」の制作に携わり、世界初の深海でのダイオウイカの撮影に成功するなど、自然ドキュメンタリーのプロフェッショナルである岩崎氏をお招きし、謎に満ちた深海を紹介していただきながら、地球と生命の関わりを考えます。
10月25日(水)17:10〜18:55
第16回研究会「ウェルビーイングのデザインを考える」
講師 ドミニク・チェン氏(早稲田大学文化構想学部教授)
ICTが急速に発展する現代、私たちの生活様式や対話のあり方は、リアルとヴァーチャルを多層的に行き来するハイブリッドなものに変容してきました。テクノロジーと幸福や健康の結びつきについて、「デジタルウェルビーイング」という新しい課題も生まれています。『未来をつくる言葉−わかりあえなさをつなぐために』や『わたしたちのウェルビーイングをつくりあうために その思想、実践、技術』(共編著)などを著してきたドミニク・チェン氏とともに、ハイブリッド時代のテクノロジーと人間の未来について考えていきます。